現在、完全なオーダーメイドはお断りしています。
販売価格が “とても” 高くなるためです。
ここでいう「完全なオーダーメイド」とは、ゼロから100を作り上げることです。試作と打ち合わせを重ねることが必要です。
ここからは、一般的な話をします。
オーダーメイドに関して、消費者と生産者の認識には、ズレがあると思います。どちらが間違っているという話ではありません。
生産者は、打ち合わせ・試作・本製作にかかった人件費と材料費から、淡々と販売価格を算出します。
お客様は、自身の経験から大体このくらいだろうなと購入価格を予想します。
既製品の市場価格 + α かな、と。
ここがズレを生むポイントです。
オーダーメイド経験値が少なく、 α の部分の情報が無いので、お客様は見当のつけようがないのです。
「オーダーメイドでの購買が一般的ではない」ので仕方がありません。
現状どちらも間違いではありません。
そしてその状態のまま生産者が価格を提示すると、お客様は「高い」と感じてしまいます。
あとは互いに譲歩するための話し合いが行われます(もしくは商談不成立)。
「譲歩」イコール「折れる」わけですから、本当に気持ちのいいお取引はできません。
オーダーメイドには時間と材料がかかるという事実がもっと浸透したら、お互いに納得してお買い物ができるかもしれません。
むかし私がオーダーメイドを受けていたころは、ほとんどが知人友人かその知り合いで、そのすべてが採算度外視の値付けをしていました。
認識に違いがあることは知っていたので、気持ちよく購入してもらいたいためにそうしていました。
(そうなるともうビジネスではなく趣味の範囲です…)
オーダーメイドは具体的には下記の流れでお金が発生していきます。
①打ち合わせ(人件費)
②試作(人件費&材料費)
③再打合わせ(人件費)
④本製作(人件費&材料費)
必要があれば②③を繰り返すので販売価格は上がっていく…
今後何回も販売していくお店の新商品を製作!ではなく、一度きりの商品を製作していると考えると、とても贅沢で素晴らしいことだというのがわかります。
だからオーダーメイドは高くなってしまいます。
わかりやすくなるよう、ざっくりと、別の視点からの例え話をします。
月300万円を売り上げる、従業員4名のお店があったとします。
1人が一週間で仕上げるオーダーメイド。
いくらで販売したいでしょうか。
月に4人で300万円を売り上げているので、一人当たり
300万円÷4人=75万円
一週間かかるということは
75万円÷4週=約19万円
最低でも約19万円は必要です。
他の例だと、
月売り上げ150万円従業員2名なら9.4万円
月売り上げ300万円従業員2名なら38万円
材料費等を考えていないですし、正確な金額算出方法ではありませんが、最低必要な金額のイメージはつかめます。
それでトントン。そのオーダーが今後の商品開発等に活かせなければマイナスです。販売促進活動や新商品開発など、違うプロジェクトを進めた方がプラスですから。
念のため捕捉ですが、オーダーメイドが悪だと言っているわけではありません。
計画的でないオーダーメイドの受注を繰り返し自社の利益を損ね続けた結果、お客様への還元が出来なくなってしまったら、潰れる。
そう考えています。(次回「オーダーメイドについて考える 2」につづきます→)